はじめに
起業には資金面なども含めてさまざまなリスクが伴いますが、条件によっては政府によるサポートを受けることも可能です。
最近政府が公表したスタートアップ育成5か年計画は、起業を考えている方にとっては追い風となる政策のひとつと言えます。
- 「スタートアップ育成5か年計画について詳しく知りたい」
- 「起業をする際に具体的にどのように役に立つかを素早く理解したい」
本記事ではこのように考える方にスタートアップ育成5か年計画の概要と起業時の活用方法を分かりやすく解説していきます。
「起業を考えている」という方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。
スタートアップ育成5か年計画とは?
起業時の活用を考える前に、スタートアップ育成5か年計画について簡単におさらいしていきましょう。
スタートアップ育成5か年計画とはスタートアップなどの企業のイノベーション促進のために作られた政策です。
政府は他の国と比べ「起業する人」も「大きく育つベンチャー」も少ない現状に問題意識を持っています。スタートアップのサポートを充実させて開業率やユニコーン(時価総額1,000億円超えの未上場企業)を増やすことをひとつの目標としています。
スタートアップ育成5か年計画ではより具体的な方向性として下記の3本の柱を掲げています。
- スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
- スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
- オープンイノベーションの推進
①と②にあるようにスタートアップが生まれやすくするための人材育成や繋がり、資金提供のサポートなどがメインです。
③のオープンイノベーションとは「自社のみならず他社や教育機関などと連携して革新的なビジネスや研究成果を目指す」イノベーションの方法論で、大企業の成長についても重要視しています。
既存の大企業のイノベーションを促進する意味でもスタートアップへの投資が重要だと政府は考えています。
起業時に使いたい!スタートアップ育成5か年計画の具体例
スタートアップ育成5か年計画には、具体的にどのような政策があるのでしょうか。
まず前提として政府は目的の一つとして「開業率を上げる」ことを掲げており、「起業を考えている方の背中を押したい」という想いが背景にあることは間違いありません。
ここからは「具体的にどのような政策があるか?」「どのように起業で活用できるか?」などを解説していきます。
中小企業基盤整備機構の出資強化
具体的な内容のひとつである「中小企業基盤整備機構のベンチャーキャピタルへの出資機能の強化」についての詳細を見ていきましょう。
中小企業基盤整備機構は日本政府が中小企業を支援するために設立した機関で、中小企業に資金や技術を提供してビジネスを成功させるための支援を行っています。
起業時の問題のひとつに「資金をどう手に入れるか?」という問題が挙げられます。多くの場合、ベンチャーキャピタルなどから出資してもらうことになります。
資金があるほど事業でできることの幅が広がりますが、日本のベンチャーキャピタリストの投資額はまだまだ多くないことを政府は課題に感じています。
- 日本:2,300 億円(1,400 件)
- アメリカ:36.2 兆円(17,100 件)
ベンチャーキャピタリストの投資額や件数はアメリカの1/10以下にとどまっています。また、2020年から2021年にかけてアメリカの投資額が3倍になったのに対し、日本は1.5倍と伸び率や成長性にも改善の余地がある現状です。
これを受けて政府は中小企業基盤整備機構のベンチャーキャピタルへの出資を200 億円の強化を掲げています。
「2024 年度からの新たな中期目標・計画」や「若手のキャピタリストに限定した出資枠の創設」なども公表しており、出資がしやすくなる環境が整っていくでしょう。
起業を考えている方は動向をチェックし、資金調達を少しでも実現しやすくしておきたいところです。
産業革新投資機構の出資強化
投資の強化だと、産業革新投資機構の出資強化も公表しています。
産業革新投資機構は企業の成長と競争力強化のために資金を提供して民間への投資を促進する団体です。過去4年間で 1,200 億円規模のファンドを通じ、スタートアップに投資をしてきた実績もあります。
過去の実績を上回る2倍程度の投資規模となるファンドの立ち上げを予定しており、2024 年目途で法案提出を行い2050年までの延長を行うことも公表しています。
投資が強化されるほど資金調達はしやすくなるでしょう。資金調達を考える上では今後の政策の進行は確認しておきたいところです。
参考:産業革新投資機構
メンターによる支援事業の拡大・横展開
メンターとはアドバイスをくれる「助言者」や「相談者」のような存在のことです。特に若手の起業家の場合は経験豊富な起業家の先輩などからアドバイスをもらえることはとても貴重な機会と言えるでしょう。
IT 分野では「未踏事業」という若い人材の選抜・支援プログラムが行われており、これまでこのプログラムを通じて300人ほどの方が起業や事業化を達成しています。
現状この取り組みを政府は評価しており、下記のような拡大を狙っています。
- 現状「年間70人」の取り組みのところを5年後には「年間500 人」へ
- 横展開(日本医療研究開発、科学技術振興、宇宙航空研究開発、農業・食品産業技術総合研究などにも広げる)
- 対象を高専生・高校生・大学生を中心とした若手にも広げる
25歳未満の方であれば他の条件に当てはまれば応募することが可能です。若手の方で起業を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
海外における起業家育成の拠点の創設
起業に関しての環境はシリコンバレーを筆頭とした海外が進んでいます。海外に若手人材を派遣し、国内への還元を目指す動きもあります。
現状シリコンバレーに20名ほど選抜して派遣しているところを、5年間で 1,000 人規模に拡大することを想定しています。
前述の通り海外と日本の開業率の高さには大きな差があります。派遣された方が起業を身近に思える環境に触れることにより、起業のハードルの低さを感じられる可能性があることも良い点と言えるでしょう。
海外に拠点を立てることやインターンシップなどの促進も掲げており、海外から日本のスタートアップを盛り上げる仕組みは今後も注目です。
再チャレンジを支援する環境の整備
起業することにより当然リスクを伴う面もありますが、再チャレンジを後押しする仕組みがあることも起業する方にとっては魅力的でしょう。
失業した方に向けて一定の期間に給付金を支払う制度である失業給付ですが、離職から1年が経つとその資格を失ってしまうという点が気になる点でした。起業を目指す方にとってこれはひとつの心理的な負担になっていました。
しかし2022年の雇用保険法の改正により起業をして事業を行っている場合、3年はカウントしないようになりました。事業が最悪失敗に終わっても3年以内であれば一定期間の失業給付を受け取ることができ、チャレンジを後押しする素晴らしい仕組みと言えるでしょう。
今後さらにチャレンジがしやすいように変わっていく可能性もあり、こういった起業を後押しする制度も確認しておきたいところです。
まとめ
本記事ではスタートアップ育成5か年計画を具体的に「どのように起業する際に活用するか?」を紹介しました。
政府は海外と比べた日本の開業率の低さなどを問題視しており、国として起業を促進したいと考えていることは明確でしょう。これから起業を目指す方はぜひ活用していきたい制度と言えます。
本記事を通して資金の提供のみならずメンター制度や海外派遣など、幅広く起業のサポートが得られることを感じていただけたのではないでしょうか。今後もサポートが拡充していくことは十分に考えられ、情報を把握しているかどうかで今後のビジネスの結果にも大きく関わってくると言えます。
起業を考えている方は本記事の内容を参考にサポートを受けることも検討した上で、そのうえで資金をなるべくかけずに事業を推進したいところです。
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