バーチャルオフィスの選び方とは?重要なチェックポイントと注意点について解説!

はじめに

創業直前・直後の事業者やベンチャー企業、個人事業主にとって、バーチャルオフィスには様々な魅力があります。

しかしながら、バーチャルオフィスならどのオフィスを選んでもよいというものでもありません。目的に合ったバーチャルオフィスを選ぶためには、どのような点に注意してバーチャルオフィスを選ぶとよいのでしょうか。

そのチェックポイントについてこの記事で解説します。

1.基本となる「住所貸し」の費用とサービスのバランス

バーチャルオフィスというサービスは、実際のオフィスと異なり、実際の建物や物件を貸すのではなく、あくまで事業用の住所を提供するというサービスです。そのため、オフィスでは当然提供されている「空間」のレンタルがありません。また、それに付随するOA機器やネット回線などのインフラの提供も基本的にありません。

しかしながら、そうした現物としてのサービスを提供しない分、バーチャルオフィスは安価に事業用住所をレンタルできるということが強みでもあります。いわゆる「住所提供サービス」だけの利用であれば最安で月額数千円から10,000円以内に収まるというのがひとつの目安となります。

1-1.どの地域の住所を借りるべきか

①居住地域の住所を借りた方が良い場合

ここで重要になるのが、「どの住所をレンタルすることができるか」という点です。「法人住所なんてどこでも同じ」と考える方もいるでしょうが、たとえば「地域密着のサービス」を提供していることを謳い文句にしている事業者にとっては、やはり居住地域の住所が望ましいという場合もあるでしょう。

②一等地の住所を借りた方が良い場合

東京都内の一等地の住所をレンタルすることができれば事業者の信頼度の向上にもつながるという考え方もあります。バーチャルオフィス事業者によっては、レンタル出来る住所が限られてくる場合があるほか、料金に差を付けているケースもあるでしょう。そのため、費用と住所貸しサービスとのバランスをチェックして、バーチャルオフィスを選ぶことがまず重要となります。

2.「完全バーチャル」のオフィスか、「一部実体」のオフィスか

バーチャルオフィスは、先に解説したように基本的には現物としてのオフィスを貸し出さず、住所を貸し出すという形態のサービスです。そのため、個人事業などで事業用住所、つまり登録上の住所などを居住地と分けたい、というようなケースに適合するサービスです。このような目的でバーチャルオフィスのサービスを利用する場合には、住所貸しのサービスだけを利用すれば事足ります。

2-1.商談などで必要不可欠!レンタル会議室サービス

しかしながら、これから会社を成長させていく予定のベンチャー企業や、頻繁に取引先との商談などがある事業者にとっては、住所だけをレンタルしていて、その住所が実際に使えないという状態では不便なこともあります。ここでチェックするべきなのが、バーチャルオフィス内に「レンタル会議室」など一部実体のサービスを提供しているかどうかです。

レンタル会議室をあわせて提供しているバーチャルオフィスでは、時間単位や日単位で会議室やミーティングルーム、応接室などを必要なときだけレンタルすることができ、そこで顧客・取引先との打ち合わせや面談、商談などを行うということもできます。こうした「一部実体」の機能についても、重要なチェックポイントのひとつとなります。

3.バーチャルでありながらも「オフィス」として機能するオプションがあるか

会社や事業者にとってのオフィスというのは、ただ単純に従業員が出社して仕事をするための場所というわけではありません。いかに小規模な事業者であっても、また個人経営というような場合でも、事業にかかわる文書や電話などは、生活拠点としての住居には直接届いてほしくない、公開するにはリスクが大きいと考える方も多いでしょう。

このような場合には、バーチャルオフィスで提供されている「郵便転送・電話転送」などの機能についてチェックしておくのがよいでしょう。バーチャルオフィス事業者では、主に住所貸しをメインのサービスとしていますが、このような郵便物・電話の転送サービスを行っているケースもあります。

3-1.電話転送サービス

電話転送については基本的にリアルタイムでの対応が必要となることから、自動で24時間転送されるサービスが便利でしょう。結局、自分の電話宛にかかってくるわけですが、ここにどのような意味があるかというと、「自分の電話番号を直接公開しなくても電話を受け取ることができる」という点です。ホームページ上などに自分の直接の電話番号を掲載してしまうことは、いたずらや不正などに巻き込まれる危険があります。

一方、バーチャルオフィス事業者のオプションで利用している転送サービスの番号であれば、自分の電話番号を直接公開することなく、必要な電話を受け取ることができるのです。

3-2.郵便転送サービス

郵便転送についても同様で、とくに事業者にとって郵便物は重要です。

契約時の書類のやりとりや、取引先との資料の受け渡しなどに利用するケースもあるでしょう。そのような際に、直接自分の住所を公開するのではなく、バーチャルオフィスで提供している郵便転送サービスを利用することで、事業用の郵便物も受け取ることができるようになります。自宅住所や直通の私用電話番号を公開するリスクについて男女の差はありませんが、特に女性においては、いったんバーチャルオフィス事業者がそれらの連絡手段を「間に挟む」というステップを挟んでくれることによっての心理的な安心感も得られるという考え方もあります。

バーチャルオフィス事業者の中には、こうした郵便・電話の転送サービスなどのオプションがなく、完全に「住所貸しのみ」という事業者もあるため、このようなサービスを利用する予定がある場合には、この点をしっかりとチェックしておく必要があります。

4.バーチャルオフィス事業者の信頼性

これまでに解説したとおり、バーチャルオフィスは事業者の住所だけではなく、郵便物や電話などの情報を扱う事業者でもあります。また、場合によっては会議などで場所を提供してもらう可能性もあるでしょう。このような点から考えると、「バーチャルオフィス事業者の信頼性」についてはしっかりと注意しておく必要があります。

4-1.事業者をしっかり調べる

まず、バーチャルオフィス事業者自体の信頼性として、きちんと実在している企業であり、契約手続きや入会・退会などの場面で適切な情報提供がなされるかといった点がチェックポイントになります。担当者がつくタイプのバーチャルオフィス事業者であれば担当者とのコミュニケーションを大切にして適切な情報提供を受けることが望ましいですし、申込み以前にもホームページや口コミなどの情報もチェックしておく入念さが求められるでしょう。

また、知人や同業者などが利用しているという情報があるのであれば、そうした身近な人からの口コミ情報などが参考になる場合もあります。

4-2.入会時、退会時のトラブルのポイントを押さえる

バーチャルオフィス事業者が、自分と契約中に破産するなどの例外的なケースを除けば、ほとんどの場合トラブルとなるのは契約時(入会時)と解約時(退会時)です。このあたりは賃貸不動産などの契約と類似する部分も多くあります。入会時にどのような手続きや書類が必要か、保証金や保証人が必要か、といった、トラブルの多いポイントをしっかりとチェックします。

また退会する際に、いつから退会が可能か、退会時に精算する項目があるか、退会に必要な書類などがあるかといった手続き面のチェックもしっかりと行いましょう。このあたりは、担当者やバーチャルオフィス事業者との適切なコミュニケーションを築いて自分自身でもしっかりとチェックポイントを抑えることで、無用なトラブルを避けることができます。

さいごに

バーチャルオフィスを利用していてのトラブルの体験談などは、一見マイナスなイメージもありますが、むしろトラブルの際にバーチャルオフィス事業者がどのような対応をしてくれるのかを知ることができる貴重な体験談でもあります。単純に「良い・悪い」というだけではなく、自分がどのような対応を望んでいるのか、検討しているバーチャルオフィス事業者はどのように応えてくれた実績があるのか、という点も含めてチェックすることで、いざバーチャルオフィスを契約したという際の認識のギャップをなくすことができるでしょう。

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