渋谷で起業する?東京渋谷のオフィス街としての歴史

最近、日本のオフィス地域における平均賃料ランキングで、千代田区から渋谷区への交代が話題となっています。

東急電鉄の「渋谷ストリーム」が2018年夏にオープンし、その他にも「渋谷ヒカリエ」「渋谷スクランブルスクエア」、そして今年2023年にいよいよオープン予定の「渋谷駅桜丘口地区」といった大規模再開発プロジェクトが進行中でJR渋谷駅前エリアは活気溢れる状況です。
このエリアのオフィス物件は、坪あたりの賃料が5万円に達するものも存在します。

今回は今不動産業界で注目を浴びる渋谷のオフィス事情に焦点を当てて、主要なオフィスの種類と業種別の企業の傾向について解説し、今後の展望についても解説したいと考えています。

やっぱり商業地? 渋谷のオフィス街としての歴史

高度経済成長期の真っ只中、1930年代に完成した東急百貨店と駅が直結したことから、渋谷は当時、道玄坂を中心とした商業地と繁華街として発展していました。この成熟した状況から、新たな付加価値を追求する必要性が生まれ、それを受けて「業務地区」として知られるオフィス地区の整備が急速に進展しました。

時代の流れと共に発展するオフィス街へ


その後も、1964年の東京オリンピック開催を契機に、渋谷駅前エリアでは道路の新設や拡幅が相次ぎ、その利便性が向上しました。これにより、街の利便性に魅了された企業たちが次々に事務所を開設し、渋谷は単なる商業地としてだけでなく、オフィス地区としての需要も急速に増加しました。さらに、東京オリンピックの開催の翌年には、渋谷区の総合庁舎、渋谷公会堂、福祉事務所などの公共施設も整備され、その利便性が一層向上したと言われています。渋谷は時代と共に進化し、オフィス街としても重要な役割を果たすようになりました。

ビットバレーと呼ばれる新しい渋谷のオフィス事情

現在の渋谷には、主にIT企業が集まっています。この「ビットバレー」と呼ばれるIT集積地としての渋谷の特性は、現在のユナイテッド社長である西川潔氏が2000年代初めに提唱したことから始まりました。この提案は、渋谷を米国のシリコンバレーのようなIT産業の中心地と位置づけるムーブメントを開始しました。

2000年代初めは、インターネット黎明期とも言われ、サイバーエージェントやDeNAなどの著名なIT企業が登場しました。しかし、当時の主要なオフィス地は丸の内や日本橋であり、これらのベンチャー企業は高額な賃料を支払う余裕がなかったとためこのような現象が起こったと言われています。

そのため、当時のベンチャー企業は、千代田区に比べて賃料が安く、交通利便性が高い渋谷を選びました。さらに、一時期はGoogleやAmazonなどの国際的なIT企業が日本拠点を設立し、渋谷のオフィス地域をITの中心地として確立しました。

しかし、ビットバレー構想が2000年代前半に入ると、渋谷のオフィス不足が深刻化し、著名なIT企業は「貸し床不足」のため、六本木などへ拠点を移すなどの対策を取りました。さらに、地価の上昇に伴い賃料も高騰し、ベンチャー企業も以前の渋谷のオフィス事情と同じ問題に直面しました。その結果、賃料の安い五反田周辺にオフィスを求める動きが強まり、ベンチャー企業は連携して「五反田バレー」というエリアを形成することに至りました。

再開発により拡がる渋谷のオフィスのキャパシティ

近年、渋谷駅前エリアでは東急電鉄と東急不動産を中心に、多くの再開発計画が進行中です。これらの再開発プロジェクトでは、これまでの小規模な老朽化したオフィスを取り壊し、一大街区として再整備されています。この結果、渋谷駅前エリアはより高層の建物が立ち並び、かつての「貸し床不足」の問題も解消される見込みです。

例えば、昨年に竣工した「渋谷ストリーム」のオフィス棟は、Googleが一棟丸ごと賃貸し、本社を六本木ヒルズから移転したことで、不動産業界に大きな話題を提供しました。このような再開発プロジェクトの進行により、渋谷のオフィス事情は飛躍的に向上し、さらなる発展が期待されています。

ビックバン2.0

2020年代以降も、渋谷駅前エリアでは「渋谷フクラス」「渋谷ソラスタ」「渋谷二丁目17地区計画」など、オフィススペースの増設が継続的に計画されています。さらに、新生渋谷パルコや渋谷スクランブルスクエアの商業エリアも、高級ブランドや注目の飲食テナントを誘致し、渋谷のオフィスと商業の両方の価値を向上させています。

このような発展により、渋谷はオフィスと商業の両方でその魅力を高めており、これが個人の消費や渋谷にオフィスを構える企業への投資などを一層加速しています。Googleのように、かつて渋谷のオフィス地域のキャパシティに不満を持っていた企業が、再び渋谷に舞い戻った事実は、新たな「ビットバレー2.0」の兆しと言っても過言ではないかもしれません。渋谷は今後も成長を続け、その重要性を高めていくでしょう。

ノマドワーカー天国!渋谷にオフィスを構えるメリットとは?

渋谷はファッションや音楽のカルチャーを発信する商業地としての役割を果たしている一方、最近では迅速な再開発によってオフィス街としても魅力的に進化しています。この現代的なエリアにおける特徴的なオフィスについて、どのようなものがあるのでしょうか?

1. 高層ビルとモダンデザイン: 渋谷のオフィスビルは、高層建築とモダンなデザインが多いのが特徴と言えるでしょう。ガラス張りの外観や洗練された内装が、先進的で印象的な印象をあたえてくれます。

2. 充実の設備: 渋谷のオフィスは、最新のテクノロジーと便利な設備を備えています。会議室、ラウンジエリア、カフェ、フィットネスセンターなど、働く環境を快適にするための施設が充実しています。

3. クリエイティブなワークスペース: 渋谷のオフィスは、創造的なワークスペースを提供しています。オープンプランオフィス、コラボレーションスペース、クリエイティブルームなど、アイデアを生み出すための環境が整っています。

4. アクセスの良さ: 渋谷は交通アクセスが非常に便利で、JR渋谷駅を中心に複数の鉄道路線が交差しています。このため、通勤が容易であり、多くの企業がアクセスの便を評価しています。

5. 周辺環境: 渋谷のオフィスエリアは、多彩な飲食店、ショッピングエリア、エンターテイメント施設が豊富にあり、徒歩圏内でさまざまなアクティビティを楽しむことができます。

これらの要素が結集し、渋谷のオフィスはモダンで快適な環境で、多くの企業にとって魅力的な場所となっています。

渋谷のオフィス環境は、確かにIT企業の成長と共に発展してきましたが、近年注目されるのは、固定のオフィスやデスクを必要としない「ノマドワーカー」と呼ばれる、クリエイターや個人事業主などのリモートワーカーの需要です。 通常、企業法人向けの賃貸オフィスを提供する不動産業者の主要な顧客ではないように思えますが、このノマドワーカーたちの需要を受け入れているのが、WeWork、100BANCH、co-ba shibuyaなどのシェアオフィスやコワーキングスペースです。

米国のWeWorkは、2018年に日本市場に進出し、わずか1年足らずで東京、横浜、大阪、名古屋、福岡などの主要都市に20以上の拠点を展開しています。特に、渋谷エリアでは最初のオフィスである神宮前のアイスバーグに続き、渋谷スクランブルスクエア東棟への出店も計画されています。 WeWorkの成長とその成功は、渋谷が新しい働き方に適応し、フレキシブルなオフィススペースへの需要が高まっていることを示しています。

このようなシェアオフィスやコワーキングスペースは、通常の企業オフィスや従来のレンタルオフィスと異なり、異なる背景を持つワーカーたちが共有のワーキングスペースで作業を行うことで、相互の交流や協力を促進し、企業という垣根を取り払い、新しいシナジーの創出を可能にしています。これにより、従来のオフィス概念では実現しづらかった協力やイノベーションが生まれる可能性が高まります。

個人×大企業 渋谷にオフィス構えるメリットとは


渋谷を含む国内の主要都市では、シェアオフィスやコワーキングスペースの需要が近年急速に増加しており、特に渋谷は供給が圧倒的です。さらに、これらの施設を利用する人々には、個人事業主だけでなく、一般企業に勤務する社員も増加しています。働き方改革の影響で、企業の中には社員に自分で「働く場所」を選ぶ自由を与えるようになっており、これにより一般企業と個人事業主やクリエイターなどの専門家とのコネクションが生まれやすくなりました。

前述の通り、渋谷エリアの駅前再開発計画によるビルの高層化は、大企業向けのオフィススペースの供給不足を解消し、多くの異なる業界から著名な企業が拠点を移す可能性を秘めています。2020年に開業予定の渋谷スクランブルスクエアには、IT企業であり、渋谷にルーツを持つmixiやサイバーエージェントだけでなく、外資系生保会社であるエヌエヌ生命保険、音楽関連の出版やイベント企画を手がけるロッキングオングループなど、多くの異なる業界のトッププレーヤーが入居予定です。この多様な業界の企業が渋谷に進出することで、渋谷エリアは今後も多彩なビジネス機会とイノベーションの担い手として成長し続けるでしょう。

将来の渋谷エリアは、上記のようなコワーキングスペースの充実が、音楽やファッションなど、渋谷に根付いた「クリエイティブ」なカルチャーと新たな渋谷の魅力を結びつけ、世界のトッププレーヤー的な企業が渋谷に集結する「ビッグバン現象」を引き寄せるポテンシャルを秘めています。渋谷はこれからも多くの産業とクリエイティブなアイデアが交差し、新たなビジネス機会が芽生える場所としてさらに発展していくでしょう。

おわりに

渋谷のオフィス状況は絶えず変化しており、これからも日本のビジネスシーンで主要な役割を果たし続けるでしょう。将来の展望に注目が集まります。ぜひ、この魅力的な街である「渋谷」でオフィスを探してみることをお勧めします。

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